自戒 -負け戦を振り返る-

ゴッドディーラー

突然ですが、みなさんは酒匂隆雄(さこうたかお)氏をご存知ですか?

外為どっとコムでコラムなどを書いている元為替ディーラーの方です。

外為どっとコムのコラムより引用

1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で敏腕ディーラーとして外国為替業務に従事。その後1992年、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行、さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長に就任した。現在はコメンテーターとしても活躍中。

その酒匂さんが4/6~6/27の間、特設サイトにて資金50万円をどれだけ増やせるかというチャレンジを行っていました。

企画名は「The Goddealer」です。

Goddealer

元ネタはマーロン・ブランド主演の名作映画ですね。

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本家と比べると迫力には欠けますが、それなりに格好良く作られてるんじゃないでしょうか。

自分もいつかこういうコスプレして撮りたいなーなんて思いました。

そしてリアルトレードの結果はこうでした。

God_t

・・・・・・。

・・・・・・まぁ笑いますよね。

「往年の名作をパロって特設サイトまで作ったのにこれかい!」と。

Twitterでこの企画を知ったのは上記グラフの一番底だった時です。

私は条件反射的にリツイートしていました。

 

笑いものにしたわけです。 でもね、その1ヶ月後に同じくTwitterを見ていてハッとさせられたんです。

自分は何を笑っていたんだと思いました。

酒匂さんは別に負けたことを隠しているわけじゃないんですよね。

正々堂々と戦って、その結果が芳しくなかったというだけなんです。

勝ち組を批判する人々」なんて記事を書いておきながら私も同じ穴のムジナだったことに気づきました。

相手が反撃してこないことをいいことに馬鹿にするのは簡単です。

しかしそこからいったい何が生まれるというのでしょう。

そもそも私はナンピン戦略で一度撤退している身、他人のことを笑う資格などないはずです。

しかも上記記事ではこのように書いていました。

他人のブログを叩くのは、ちゃんと投資で勝っている人だけがするべきだと私は思います(まぁ無理でしょうが)。

・・・・・・・・・・・・。

お恥ずかしい限りです。

先ほどの猫トレードさんのツイートは引用リツイートしました。

そして返していただいたリプライ(悪いことではないので載せてもいいでしょう)

自分が天狗になってることってなかなか気づかないものだと思います。

今回私が過ちを犯したように、誰しも忘れたい過去があると思います。

都合の悪いことは全部なかったことにしてそのまま先へ進めればどんなに楽でしょう。

しかしそれでは人は成長しません、過去にした過ちを受け入れて初めて今より一段高い場所へ昇ることができるはずです。

いつも以上に前置きが長くなりました。

自らの恥部をさらすことになりますが、今回は過去と向き合いボロ負けしたあの日の取引を振り返ってみたいと思います。      

Mr.フーリッシュ

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自己紹介文や以前の記事で何度か書いていますが、私はメインの取引ではナンピンを使っていません。

普段使っているのはスキャ~デイトレくらいの時間軸に現れる相場の歪みを利用し、多くの試行回数で利益を積み上げるという戦略です。

巷ではスイングトレード最強説やトレンドフォローこそ正義といった風潮があるのは知っていますが、私の場合そういった手法の割合は少なめです(使わないわけじゃないです)

そしてメインの取引ではそこそこ利益が出ており、時間もあったため「お遊びでナンピンの研究でもするかー」とこのブログを始めることにしました。

はっきりいってナメていたのです。

「バックテストで破産しないような設定、かつ複数ペアによる分散をしとけば死ぬことはないだろう」

「取引しながらいろいろ記事書けばいいや。ちゃんとした戦略は徐々に作っていこう」

などと考えていました。

その時の手法をざっくり説明すると以下のような感じです。

1.取引量が多く、一方的な動きをしにくい通貨を選ぶ

基本的に先進国になります。

2.ナンピン戦略なんだから損切しない

ナンピン=損切なしという勝手な思い込みがありました。

含み損に耐えることもナンピンの醍醐味だ、くらいに考えていました。

ナンピン幅は標準偏差によって可変する方式でした。

3.Entryのタイミングをちょっとだけ工夫する

損切りをしない設定なので、微益で逃げ切るためにはどうすればいいのかを考えました。

まず、Entryをボラティリティの高い時に限定します。

そして短いMAに逆張りすることでより早く利確できることが分かったのでこれをシグナルにします。

さらにスワップを支払う方向に賭けた方がExitは早かったのでその方向にEntryするようにしました(これは後の検証で誤りだったと分かります)

・・・本当これだけです(笑)

後はバックテストでナンピン回数が多くなりそうな通貨を避けて取引するだけ。

条件にあったペアを1日1回送られてくるメールで確認できるようにし、そのままアプリで注文するという流れにしていました。

手動売買にしていたのは、自分が相場を張っている気分を味わいたかったことと、確実に利益が出るという感覚が楽しかったからです。  

           

ロード・オブ・ザ・ロスカット

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そんなこんなでブログ用資金100万円を用意し取引を開始したわけですが、開始から2ヶ月経過した時点で15万円ほど利益が出ました。

そのため「これだけ勝ってるんだから何かしら報告しないともったいない」と思いTwitterで取引内容を逐一報告することにしました。

崩壊への第一歩となるEURJPYショートを行ったのは2014/10/24です。

その後10/30に日銀総裁の追加緩和発言がありレートは急上昇、ポジションは含み損を抱えることになります。

ただ発言後数日は小康状態が続いていましたので、私は「まぁ今回も余裕だな、あと2,3日で利確できるだろう」などと呑気に構えていました。

しかし11/11よりレートが再度上昇を始めます。

一番最初のツイートは11/12でした。 

pips表示等いろいろ試していたのですが、最終的に金額表示+DDとかを書いていく形にしました。

資産が127万円となっていますが、ブログ用の資金は100万円→115万円のはずです。

差額の12万円は何の目的だったのか忘れました(本当適当だったんです)

今から考えると総資産を【Funds】とかにしているの超かっこ悪いです(笑)  

初ツイート翌日です。

すでに崩壊への予兆は見えているのですが、20万円までの含み損は想定の範囲内だったので全然気にしていません。  

だんだんとEURJPYの含み損が増えていきます。

レバレッジを気にしたことがなかった・・・この発言からいかに相場を甘く考えていたのかが分かります。

この時点でレバレッジ10倍を超えています。

「含み損さえ耐えていれば利益が上がる」という経験が感覚を麻痺させていたんだと思います。

含み損がバックテストで出た最大値になってしまいました。

このあたりで「ちょっとまずいかな」という気がしてきました。

まだ冗談を言う余裕があります。

「周りは大変だなー。まぁ俺は助かるけどね」などと思っていたのでしょう。   

不利な方向に動いているのにチャンスと勘違いしています。

いわゆる値ごろ感でのナンピンをしてしまったようです。

ここに来てやっと事態の深刻さに気がつきました。

想定DDはオーバーしているし、レートが戻る気配もない。

強がってはいますが正直早く戻ってくれないかな・・・と不安でした。  

本来は切るべきなんです。

想定の最大ナンピン回数は5回。

この時点で4回ナンピンをしているのでそろそろ戻るだろう(戻ってくれ)という考えから続行を決めます。

ついにDDが30万円を超えてしまいました。

さすがの私も金額計算にミスがあったことに気づきます。

しかしまだこの時点でナンピン回数を1回残しているためそのまま放っておくことにします。

日銀が動いてくれるという淡い期待もありました。  

ついに想定の最大ナンピン回数に達してしまいました。

証拠金が足りなくなりそうだった(計算ミスがあったため)ので追加入金しました。

まさかここまで引っ張られることになるなんて思っていませんでした、もうこれ以上ナンピンはできません。

淡々と書いていますが、ブログ始めたばかりでロスカットなんて正直考えたくなかったです。  

しかし認めないわけにもいきません。

この頃になるともう100万円はなくなったものとして動向を見守ろうという気になっていました。

それと同時に「自分に実力があると勘違いして調子に乗ったら終わりなんだな」と深く反省しました。

後に宣言通り「人生初ロスカット」というタイトルで記事を書きました。

そして運命のXデーです。

当時の記事を探したのですが適当なのが見当たらなかったので2chに貼られていた文章を引用します。

時事通信 11月20日(木)12時12分配信?

菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、外国為替市場の円相場が1ドル=118円台に下落したことについて、
「過度な円高からの脱却は政権公約だ。政策がしっかり浸透し始めてきているのではないか」と述べ、容認する考えを示した。
ただ、「円安にはメリットとデメリットがあるのは事実だ」とも指摘。輸入物価上昇につながる懸念などを踏まえ、
「動向を注視していく。国民生活にできるだけ影響のないような対策を取ることが大事だ」と語った。

まさかこのまま容認とは・・・やられたと思いました。

これ以上レートが戻るのを待っても仕方ないと判断し損を確定させることにしました。

上記ツイートの計算は間違っており、確定申告のため詳細な計算をしたところネットの損失は-45万円、元金100万円なので資金の半分近くを失ったことになります。

EURJPY-a01Daily1a

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こうして私の裁量取引は幕を閉じました。

今見ても恥ずかしい履歴の数々、いっそアカウントごと記憶を消したいくらいです。

元々裁量取引は下手くそなのですが、ここまでボロ負けしたのは初です。

なぜここまで負けを許してしまったのか・・・これはたぶん私がナンピンという毒薬を飲んでいたせいでしょう。

損切をしないということは、破綻するまで勝率100%ということです。

「含み損に耐えていれば必ず利益になる」という経験が、私の危機意識を麻痺させていたんだと思います。

今回の取引で唯一良かった点を挙げるとすれば、最後の段階で損切りをしたことでしょうか。

これ以上引きずると本当にロスカットになってしまう、そうすると確定損は100万円以上(ツイートでは80万円と書いていますが計算ミスです)。

確かにこのまま放置しておけばもしかしたらレートが戻るかもしれません、しかしこれ以上悪くなるシナリオも十分考えられます。

なんせ政府が円安を容認すると言っているわけですから。

相場で必要なことは常に冷静でいることです。

タイミングは遅かったですが破綻を待たずに思いを断ち切ることができた、そう考えることもできるはずです。

・・・そうですよ!よくよく考えるとベストのタイミングでちゃんと逃げてるじゃないですか!

ど素人ならこのままロスカットまで傍観するところを、冷静に損切りしてたった65万円の損失に抑えることができました!

結果としては負けたけれど、資金が残っていれば作戦を練り直してまたチャレンジすることができる!

さすがこの俺!ナイス損切り!

それでは、損切した後レートがどう動いたのかを見ながらお別れしましょう。

EURJPY-a01Daily2a

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おんぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ

“あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”

あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ

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