エントリー価格 × Y%でナンピンしていく場合

はじめに

今回はエントリー価格を基準に一定のパーセンテージをかけてナンピン幅を決定する場合を検証しました。

固定pipsでナンピンする場合だと通貨や時期によってその重みが全然違うためペアごとに最適な値を見つける必要があります。

例:USDJPYを1円ごとにナンピンしていく場合、
レートが1ドル=80円の時と120円の時ではその影響力が違うはず

そこで基準価格に一定割合をかける方法が考えられます。
たしかナンピンのカリスマ(という設定の人)が書いたこの本で紹介されていたのもパーセント基準だったはずです。

参考:ナンピン幅は何を基準に決めればいいのか

検証ルール

0.1,0.3,0.5,1,2,3,5,7.5,10%ごとにナンピンした場合を調査しました。

対象期間:2004/11/20~2014/11/20
バックテストのルールはこちらです
エントリーは毎回同じロットでロングとショートを交互に行い、終値が含み損を解消できる位置になればリセットとします。
2014/11/20時点でポジションを抱えている場合はそこでExitしたと仮定して計算します。
最大ポジション数マイナス1が最大ナンピン回数となります。

通貨ペアごとの検証結果

AUDJPY

% 最大ポジション数(L) 最大ポジション数(S)  期間(最長)  期間(最短)  期間(中央値)  取引回数
0.1 173 167 174 2 3 474
0.3 139 92 180 2 3 464
0.5 88 56 198 2 3 436
1 45 31 214 2 3 356
2 23 14 211 2 3 300
3 10 10 239 2 2 274
5 7 7 247 2 2 224
7.5 6 4 309 2 3 150
10 5 3 359 2 2 116

EURJPY

% 最大ポジション数(L) 最大ポジション数(S)  期間(最長)  期間(最短)  期間(中央値)  取引回数
0.1 57 384 522 2 3 344
0.3 100 115 504 2 3 366
0.5 62 84 522 2 3 294
1 27 37 504 2 3 288
2 16 21 519 2 3 202
3 8 18 590 2 3 228
5 9 5 1201 2 2 136
7.5 5 3 816 2 2 136
10 3 4 503 2 3 82

EURUSD

% 最大ポジション数(L) 最大ポジション数(S)  期間(最長)  期間(最短)  期間(中央値)  取引回数
0.1 121 137 168 2 3 449
0.3 68 27 210 2 2 449
0.5 42 34 245 2 3 383
1 20 33 628 2 3 217
2 8 17 628 2 3 155
3 4 11 623 2 3 161
5 3 6 481 2 3 143
7.5 3 4 483 2 2 133
10 2 3 485 2 2 133

GBPUSD

% 最大ポジション数(L) 最大ポジション数(S)  期間(最長)  期間(最短)  期間(中央値)  取引回数
0.1 76 111 112 2 3 469
0.3 41 53 123 2 3 476
0.5 31 33 205 2 3 385
1 11 18 261 2 3 300
2 13 11 612 2 3 263
3 8 7 606 2 3 211
5 7 3 327 2 3 177
7.5 3 2 471 2 3 159
10 4 2 327 2 3 137

USDJPY

% 最大ポジション数(L) 最大ポジション数(S)  期間(最長)  期間(最短)  期間(中央値)  取引回数
0.1 102 366 525 2 2 428
0.3 43 142 525 2 3 410
0.5 27 92 525 2 2 376
1 14 51 547 2 2 280
2 8 26 547 2 3 214
3 5 17 525 2 3 140
5 5 5 686 2 2 116
7.5 4 3 953 2 3 58
10 2 3 734 2 2 80

感想

結果は固定pipsでナンピンしていく場合と大差なかったです。
レートによって幅が変化するこちらの方がより優れていると思っていたのですが・・・的外れでした。

価格をナンピン幅にすると、急激な変動に巻き込まれた場合にポジションを一気にとってしまう場合があります。
運の悪いパラメータ値だと他の数値と比べて取引期間が明らかに増える場合があるようです。

例えばEURUSDを見ると0.1%→0.3%→0.5%と数値を増やすごとに最長期間は伸びていきますが、1%~3%ではほぼ変わりません。
そして5%以上になると逆に最長期間は短くなってしまうのです。

3%でも5%でも、2006年に取ったショートが2008/9までExitできなかった結果最長期間を記録しています。
3%幅だと2006年4月、5%幅だと2006年10月にエントリーすることになるため5%幅の方が最長期間は142日短くなるのです。

これは5%幅が3%幅よりも優れているわけではなく、それまでのエントリーがずれているのでたまたま短くなったというだけの話です。
いわゆるカーブフィッティングというやつです。

基準値×Y%という方法を採用することで柔軟性が生まれると思っていましたが、価格幅でナンピンする限りこのような事態は避けられないでしょう。
運用するには分かりやすいのですが、あまりうまい方法ではないかもしれません。
採用するにしても1回ナンピンした後は時間を置くなどの対策が必要だと思います。

書評
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石野雄一(著)
★★★★☆(4/5)
私が経済学部生だった頃、ファイナンスの授業で教科書として使われていました。
当時の先生が「これほど分かりやすいファイナンス本は今までなかった」と絶賛していたのをよく覚えています。
凡庸な生徒だった私に「ブラック=ショールズ・モデルなんて簡単だ」と錯覚させるくらい分かりやすい説明で、
現在価値とは何か、リスクの定義、分散投資の考え方、企業価値評価、最適資本構成、債券、デリバティブまで幅広い知識を教えてくれます。
しかしまえがきにもあるように、この本はビジネスパーソン向けに表層的な知識を噛み砕いて説明するために書かれた本です。
厳密にファイナンスを学びたい方や、実務に組み込みたいような方にはもっと適切な本があると思います。
あくまでもファイナンスを学ぶためのとっかかりとして読むのが正解だと思います。

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