通貨変動についてのメモ

標準偏差の計測


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ナンピン戦略を実地していくにあたり重要なことは、「リスク過大な局面をいかに避けるか」だと思います。
為替変動が対数正規分布に従うと仮定した場合、そのリスクを測定する指標は標準偏差です。

今回は後々使用することもあると思うので、OANDA取扱いの72ペアについて標準偏差を計測しておきたいと思います。

EXCEL使用した標準偏差の計算例

データだけだと記事的にアレなので簡単にやり方を書いておきます。

1.過去○○期間の日次データを用意し、1日あたりの対数変化率を出す

対数変化率はLN(前日終値/当日終値)で出ます。
単に前日終値/当日終値でもほとんど変わりませんが、レートの変化率は対数値で出した方がより正確です。

標準偏差は
用意するデータが1年であればその1年間の動きを反映する形で標準偏差が計算されます。

2.STDEV関数で標準偏差を計算する

関数を使わないやり方は検索すればすぐ出てきます。

たとえばこことか。
もっと簡単な説明だとこことか。
今回の場合は標本標準偏差になります(標本標準偏差と母標準偏差)。

3.出てきた値に出したい期間の平方根をかける

計算した標準偏差は1日あたりの標準偏差です。
○○期間までの標準偏差を出すには期間の平方根をかけます
例)年率に直すには営業日=250日の平方根をかけます。

使用例

ヒストリデータから標準偏差を出すことにどんな意味があるのか?
それは、将来起こりうる価格変動をある程度予測することにあります。
上下どちらかに動くかは分かりませんが、どの程度の範囲で動くかを推定できるからです。

データが正規分布に従う場合、平均+-標準偏差×Xの信頼区間は次のようになることが分かっています。
X=1の時、データの約68.3%が当てはまります
X=2の時、データの約95.5%が当てはまります
X=3の時、データの約99.7%が当てはまります

為替の対数変化率を分布図にした場合、その形状は概ね正規分布になります(株もそうです、ここは端折ります)
標準偏差を使うことで、これから○○期間後に為替レートがどの程度変化しているか予測できるのです。

今、USDJPYのレートが100円、過去データから算出した1日あたりの変化率の平均が-0.05%、その標準偏差が0.2%だったとしましょう。
すると1日後の為替レートは100円+100円(-0.05%+-0.2%×1)=99.75~100.15なので
約68.3%の確率で99.75~100.15に収まると推定できるのです。

これが約99.7%の確率なら99.35~100.55に収まると推定できますし、1年後の範囲は標準偏差に営業日の平方根をかけて計算することで求まります。
1年後のレートは100円+100円(-0.05%+-0.2%×√250×σ)です。

測定結果

それでは肝心の結果を見ていきましょう。

元データはstooqから取得した日足です。
期間は2001/1/21-2015/1/21となります(分けている区間は全て1/21-1/21)
USDSARだけはブローカー(OANDA)のデータになり、2005以降のデータのみとなります。

計算方法は記事の前半で書いたやり方と同じです。数値は年率(%)となります。

通貨ペア 2000-2005 2005-2010 2010-2015 全期間
AUDCAD 10.2 13.1 7.7 10.3
AUDCHF 11.2 17.5 14.8 14.2
AUDHKD 11.9 16.7 10.3 13
AUDJPY 11.7 24.9 12.8 17.1
AUDNZD 13.1 12.1 6.4 10.6
AUDSGD 11.4 14.3 7.4 11.1
AUDUSD 11.5 18.1 10.5 13.5
CADCHF 10.7 13.2 14 12.5
CADHKD 7.9 12 7.2 9.3
CADJPY 10.1 19.1 11.3 14.1
CADSGD 8.3 10.3 5.7 8.3
CHFHKD 10.9 11.4 13.1 11.6
CHFJPY 10.6 12.7 14.3 12.3
CHFZAR 19.8 20.5 17 18.3
EURAUD 10.1 13.9 9.1 11
EURCAD 9.7 10.6 7.8 9.6
EURCHF 3.8 6.2 12.3 8.1
EURCZK 6.4 9.5 5.7 7.2
EURDKK 0.3 0.3 0.2 0.3
EURGBP 7.1 9 6.8 7.7
EURHKD 10.4 10.4 8.3 9.9
EURHUF 8.4 11.9 9.2 9.8
EURJPY 10.3 15.1 11.5 12.4
EURNOK 6.2 8.9 7.5 7.5
EURNZD 10.5 13.5 9.6 11.2
EURPLN 10.4 11.6 7.8 10
EURSEK 6 8.4 6.9 7
EURSGD 9.4 7.9 6.6 8.1
EURTRY 27.1 15.7 10 18
EURUSD 10.2 10.6 8.5 9.9
EURZAR 20.3 17.9 12 16.4
GBPAUD 10.5 14.5 9.2 11.4
GBPCAD 9 11.1 7.4 9.4
GBPCHF 7.9 11.3 13 10.6
GBPHKD 8.6 11.9 6.8 9.4
GBPJPY 9.8 17 10.5 12.7
GBPNZD 13.5 14.6 10 12.6
GBPPLN 10.3 13.6 10.9 11.7
GBPSGD 7.9 9.5 6 7.9
GBPUSD 8.2 11.2 7 9
GBPZAR 19.1 18.1 12.8 16.3
HKDJPY 9.5 12.1 9.3 10.2
NZDCAD 13.3 14.7 8.3 12.2
NZDCHF 14.8 16.4 14.3 14.8
NZDHKD 11.7 17 10.9 13.3
NZDJPY 12.1 23.8 13.3 16.8
NZDSGD 11 14.3 8.3 11.2
NZDUSD 11.8 17.1 11.2 13.4
SGDCHF 10.8 9.2 12.1 10.5
SGDHKD 4.6 5.4 5.2 5.1
SGDJPY 8.9 12.8 9.6 10.5
TRYJPY 27.2 24.5 14 21.6
USDCAD 7.4 12.2 7.3 9.3
USDCHF 11.1 11.1 13.6 11.8
USDCNY 11.5 16.6 10.1 13.2
USDCZK 11.8 15 11.5 12.8
USDDKK 10.4 10.6 8.2 10
USDHKD 1.5 1.2 0.6 1.2
USDHUF 13.1 17.8 14.5 15.2
USDINR 2.9 7.1 8.5 6.5
USDJPY 9.4 12.2 9.3 10.2
USDMXN 8.3 13.2 11 10.7
USDNOK 10.8 14.8 10.9 12.2
USDPLN 10.4 17.5 13.5 14.2
USDSAR 1.9 0.8 1.5
USDSEK 11 15 10.9 12.4
USDSGD 4.5 5.5 5.6 5.2
USDTHB 12.5 19.7 11 15.1
USDTRY 25.4 16.9 10.2 17.6
USDTWD 3.6 4.7 3.3 4.1
USDZAR 20.4 20.2 14.1 17.8
ZARJPY 20.4 25.5 16.5 20.5

これまでのことをまとめると「標準偏差が大きい銘柄(通貨ペア)ほど変動が大きい」ということになります。
数値を見てみると実際そうなっているのが分かると思います。

そしてここが肝心なのですが、標準偏差は期間によってそこそこ上下しますので数値はあくまでも目安です。
今数値が○○だからと言って将来において○○付近で推移していくとは限りません。

元データの数値や測定時期によって数値は結構変わっちゃいます。
例えばAUDJPYの標準偏差を1年ごとに見てみましょう。

AUDJPY標準偏差2

06年までのデータで「この通貨ペアは変動が低い」と判断してしまうとその後泣くことになります。

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