【書評】道具としてのファイナンス 石野雄一(著)

道具としてのファイナンス
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★★★★☆(4/5)
私が経済学部生だった頃、ファイナンスの授業で教科書として使われていました。
当時の先生が「これほど分かりやすいファイナンス本は今までなかった」と絶賛していたのをよく覚えています。
凡庸な生徒だった私に「ブラック=ショールズ・モデルなんて簡単だ」と錯覚させるくらい分かりやすい説明で、
現在価値とは何か、リスクの定義、分散投資の考え方、企業価値評価、最適資本構成、債券、デリバティブまで幅広い知識を教えてくれます。
しかしまえがきにもあるように、この本はビジネスパーソン向けに表層的な知識を噛み砕いて説明するために書かれた本です。
厳密にファイナンスを学びたい方や、実務に組み込みたいような方にはもっと適切な本があると思います。
あくまでもファイナンスを学ぶためのとっかかりとして読むのが正解だと思います。


大学時代はご多分に漏れず授業にほとんど出ないような生徒でしたが、このファイナンスの授業だけは全て出席していました。

担当していた講師が外資系金融機関出身の方で、授業の合間の小話が面白かったからです。肝心の授業はつまらなかったのですが(笑)

社会というものをよく分かっていない生徒にとっては刺激的な話が多く、出席必須でないにも関わらずなかなか人気の授業だったと思います。

印象に残っているものをいくつか紹介します。

・外資系金融のトレーダーは基本的に40代で引退して南の島で余生を過ごす、教育現場に移った自分はあまりいないタイプだと思う。

・日本法人のトップが東大出身者で固められていて、出身の違う自分には先が見えてしまい嫌になってやめた。

・「お前が独立したら資金を出してやる」と言ってくれた人達はいざ会社の看板がなくなると潮が引くように離れていった。自分の信用力はこんなもんかと悲しくなった。

・新入社員の頃は裁定取引を担当していた。当時は一日中モニタの前に座ってわずかな鞘が発生するのを待つような体制だった。目が痛くなってしんどかった。

・米国の証券市場でブローカーをやっていた時期があるが、周りは全員ライバルなので誰もやり方を教えてくれず途方にくれた。アジア人は体格で劣るので体当たりされるなどいじめられた。めげずに積極的に話しかけていたらそのうち仲良くしてくれるようになった。

教師の傍らファンドも運用しているとのことでしたので「先生の授業に刺激を受けました。株取引をしてみようと思いますが具体的に何を買えばいいですか(今すぐに儲かる方法を教えてください!)」と聞いたところ、

「長期的なことを考えるとインデックスファンドしか薦められません。先進国のETFを分散して持てばいいと思います。今は確かにブームですが中国への投資はやめておいた方が無難です」という模範的な回答をいただきました(泣)

我ながら情けない質問をしたと思います。今ならもっとマシな会話ができるのですが・・・。

現在は他大学で教授をされているようです。

迷惑がかかるといけないのでお話はここまでにしておきましょう。

書評
初歩からしっかり学ぶ 実習 統計学入門 ~Excel演習でぐんぐん力がつく
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初歩からしっかり学ぶ  実習統計学入門 ~Excel演習でぐんぐん力がつく 涌井良幸(著),涌井貞美(著) ★★★☆☆(3/5) (編集中...)

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